給湯器は、毎日必ずといっていいほど使用する、なくてはならないものでしょう。それは、会社や事業所などでも同様のはずです。ところが事業用に使用している給湯器の場合、故障してしまった際の修理・交換にかかった費用についての勘定科目によって、確定申告の際の扱いが異なるのはご存知でしょうか。そこで今回は、給湯器の修理・交換時の勘定科目について解説していきましょう。
1. 勘定科目の「修繕費」とは?
勘定科目の「修繕費」は、事業のため保有する備品などの資産をメンテナンス・修理するため支払った費用のことです。
1-1. 修繕費の基本
原則的に、事業用資産を「修繕」するための支出なら、支出時の経費は「修繕費」になります。ただし、あくまで壊れた部分を交換・修理・原状回復するための費用であり、従来と比較し機能の向上する場合は修繕費ではなく「資本的支出」になります。
1-2. 修繕費の勘定科目に該当するもの
修繕費に該当するものは、たとえば次のような費用です。
・製造機械の維持整備費用・老朽化した部品の交換費用・点検や保守の費用
・机や椅子が壊れた際の修理費用
・コピー機・パソコンなどの修理・メンテナンス費用
・車検費用
・車両のパンクやパーツの修理費用
2. 勘定科目の「資本的支出」とは?
原状回復の費用である修繕費とは異なり、資産としての価値の上がる支出、機能性のアップする支出が「資本的支出」です。
2-1. 資本的支出の基本
既存資産の価値を高め、機能性を向上させる支出は、金額に関わらず「資本的支出」となります。資本的支出の扱いは、固定資産と同様になり、支出時において全額を経費にはできません。耐用年数に渡り経費になるのです。
2-2. 資本的支出の勘定科目に該当するもの
資本的支出に該当するものは、たとえば次のような支出です。
・借りている店舗・事務所に新たに増築する費用
・借りている店舗や事務所に新たな設備を取り付ける費用
・事務所用内装を店舗用内装にするなど、前とは別の用途で作り替える費用
・製造機械に新たな機能を搭載させる費用
・パソコン・コピー機などをより性能の高いものにする費用
・ノーマルタイヤをスタッドレスタイヤへ交換する費用
3. 修繕費か資本的支出かを判別する5つのポイントとは?
修繕費か資本的支出かによって、経理処理が異なります。どちらなのかで利益額が変わり、税金にも影響するため、どちらで計上するのかの判別が重要になるでしょう。そこでここからは、修繕費か資本的支出かを判別する5つのポイントについて解説していきます。
3-1. 支出20万円未満なら「修繕費」
20万円に満たない修理・改良のための支出は、少額なので修繕費に計上できます。
3-2. 3年以内周期の費用は「修繕費」
およそ3年周期で行われることが明らかな修理・改善なら、修繕費に計上できます。20万円以上でも、およそ3年以内周期で行われる修理・改善なら修繕費にできます。
3-3. 維持管理・原状回復のための支出なのが明らかな場合は「修繕費」
維持管理とは「固定資産が通常の機能で使い続けられるようにすること」、原状回復とは「固定資産がき損してしまった際に元の状態に戻すこと」を指します。これらの場合は、修繕費です。
3-4. 価値を高める費用は「資本的支出」
機能がグレードアップして元の状態では無理だったことができるようになる場合、元の状態より価値が上がる場合、その固定資産に費用をかけた結果として使用可能期間が延びる場合は、資本的支出となります。
3-5. 60万円未満・前期未取得価格10%以下なら「修繕費」
ここまで解説してきた4つの条件を全て検討した上で再度金額を確認し、60万円未満または前期未取得価格の10%以下ならば、修繕費として構いません。
4. 給湯器の修理・交換、勘定科目はどうなる?
給湯器が故障した場合、修理によって給湯器を交換したり新たな機種を取り付けたりする場合に、勘定科目が気になるところではないでしょうか。ここからは、給湯器の修理や交換について勘定科目が何になるのかをみていきましょう。
まずは、給湯器1台の修理価格が10万円未満なら、修繕費が当てはあります。また、給湯器がまったく使用できなくなり新たに購入し直した場合も、従来のものと同等のもので価格も変わらなければ、修繕費で計上できます。
ただし、既存の機種よりランクが上のものを購入したりした場合は、どのようになるのでしょうか。その場合は、資産的支出に該当することになります。
5. まとめ
給湯器の修理・交換時にかかる費用は、修理費または資産的支出に計上されます。どちらになるかは、修理・交換の内容によって異なり、どちらになるかで経理の仕方や仕訳が異なるので、注意しましょう。
「株式会社ミライズ」は、水回りリフォーム・水道・下水工事の専門店です。自社施工を基本としておりますので、安心の適正価格を実現しております。マンション・アパートなどの賃貸物件や店舗・ビルなどの工事にも対応しておりますので、給湯器修理・交換をお考えの事業者の方もぜひお気軽にご相談ください。