リビングは家族の団らんの場であり、大切なプライベート空間です。そのリビングを自分好みにリフォームすることで、より快適で居心地の良い空間を手に入れられます。その際、壁紙の選び方は非常に重要になってきます。壁紙1つで部屋の印象が大きく変わり、リフォームの仕上がりを左右するからです。今回は、壁紙の種類から選び方のポイント、リフォームに向いている壁紙までご紹介します。

リビングリフォームに使われる壁紙には、さまざまな種類があります。材質の違いによって特徴が大きく変わってくるため、しっかりと理解しましょう。壁紙の主な種類と特徴は、以下のとおりです。

織物壁紙は、天然素材や化学繊維を使った生地で作られています。綿や麻、絹などがその代表的な素材です。温かみのある上品な雰囲気が特徴で、高級感があり壁の凹凸を目立たなくする効果もあります。ただし、汚れや傷がつきやすく、湿気にも弱いのが欠点です。

ビニール壁紙は、塩化ビニル樹脂をベースに作られた壁紙です。安価で扱いやすく、水や汚れに強いのが最大の利点です。防カビ加工や抗菌加工がされたものもあり、湿気の多いトイレや洗面所にも向いています。一方、安っぽい雰囲気を持つのが難点といえます。

ガラス繊維を何層にも重ねて作られた壁紙がガラス繊維壁紙です。極めて丈夫で、強い衝撃にも耐えられます。さらに、防火性能も高く火災に強い壁紙です。

リビングリフォームにおける壁紙選びのポイントとして、以下があげられます。

壁紙選びの最重要ポイントは、その部屋の用途や、求める雰囲気を明確にすることです。リビングはくつろぎの空間であり、家族が集まる大切な場所です。だからこそ、明るく開放的な雰囲気作りを意識した壁紙選びが重要になります。たとえば小さなお子さんがいるご家庭では、汚れが簡単に拭き取れる機能性重視の壁紙がおすすめです。一方、趣味のひとつとしてインテリアを楽しみたい方は、デザイン性が高くおしゃれな壁紙をおすすめします。

リビングの広さや天井の高さによっても、壁紙の選び方は変わってきます。狭いリビングには無地の壁紙を選び、広いリビングなら柄物の壁紙を選びましょう。狭い部屋に柄物を選ぶと圧迫感が出てしまうためです。また、天井が低い部屋には縦長の柄の壁紙、天井が高い部屋には横長の柄の壁紙を選ぶと、バランス良くみえます。壁一面を無地の壁紙にするよりも、アクセントとして別の壁紙を採り入れることで、よりおしゃれな空間に仕上がります。

リフォームには必ずコストがかかるものです。壁紙も高価なものから低価格のものまで幅広く存在します。質の高い壁紙ほどコストは上がりますが、長期的に見れば汚れにくく長持ちするメリットがあります。

一方で賃貸物件のように、長期的な使用が考えにくい場合は、安価でメンテナンスしやすい壁紙を選ぶのが賢明です。また、将来的に模様替えを考えているのであれば、剥がれやすい壁紙を選ぶなど、コストとメンテナンス性を総合的に検討することが大切です。

リフォームに向いている壁紙は、以下のとおりです。

リフォームと聞くと、専門業者に施工を依頼するイメージですが、中には自分でも手軽にDIYできる壁紙もあります。それが「のり付き壁紙」です。のりが壁紙の裏面に塗布されているため、別途のり付け作業が不要になるのです。

のり付き壁紙は初心者でも比較的簡単に施工できるだけでなく、費用を大幅に抑えられるメリットもあります。さらに剥がす際も手間がかからないため、模様替えの際にも最適です。ただし、長期的な使用には向いていないという欠点もあります。

既存の古くなった壁紙を剥がさずに上から新しい壁紙を貼れるのが「リメイクシート」です。汚れた壁紙を剥がす手間が省けるため、手軽にリフォームができます。防水性に優れ、お手入れも簡単なのが特徴です。

一方で、下地の壁紙の状態によってはきれいに貼れない場合があり、耐久性にも欠けるため、長期的な使用は向いていません。賃貸住宅のリフォームや、一時的な間取り変更の際に活躍する壁紙です。

リビングはカビが発生しやすい場所でもあります。湿気を帯びた空気が滞留しやすく、結露の原因になるためです。そこでおすすめなのが、抗菌加工や防カビ加工が施された壁紙です。このタイプの壁紙には、カビの発生や増殖を抑制する化学物質が含まれています。とくに湿気の多い場所のリフォームに適しているだけでなく、アレルギー対策にも役立ちます。ペットを飼っている家庭でも活躍する壁紙です。

リビングをワンランク上の空間に仕上げたい場合は、デザイン性の高い高級な壁紙を選ぶのがおすすめです。織物調の壁紙や、大理石や木目の質感を表現したリアルな質感の壁紙などが該当します。上品な雰囲気を醸し出し、居室を格調高い空間に演出できます。ただし、高級壁紙は価格が高めに設定されているのが難点です。また、デリケートな質感のため、お手入れには気を付ける必要があります。リフォームを通じて理想のリビング空間を実現したい場合は、十分に検討する価値のある壁紙です。