住まいのリフォームを検討する際、「リノベーション」という言葉を目にすることが増えてきました。しかし、リノベーションと一口に言っても、その意味や具体的な内容はあまり知らない方も少なくありません。新築より低コストで理想の住空間が手に入る魅力があるのです。今回は、リノベーションとは何かをあらためて解説するとともに、効果的に行うためのポイントや注意点についてご紹介します。

リノベーションについて理解することは大切です。基本となるのは以下のとおりです。

リノベーションとは、古くなった住宅や建物の一部または全体を改修・修繕し、新しい住環境や用途に合わせて生まれ変わらせる工事のことを指します。英語のrenovation（改修・復興）に由来する言葉で、近年の住宅リフォームでよく耳にするようになったトレンドワードです。

リノベーションの最大の魅力は、コストを抑えながら理想の空間が手に入ることです。新築に比べて工事費用を大幅に削減できるうえ、間取りの変更や水まわりの一新など、自分好みのリフォームが可能になります。中古物件を購入する場合も、リノベーションによってあらゆる条件を自在にカスタマイズできるのが大きな利点です。

一方でリノベーションの活用シーンは多岐にわたります。戸建て住宅やマンション、賃貸アパートなどの居住用途から、古くなったビルを店舗やオフィス、レストランなどの商業用途に改修する例も少なくありません。さらには空き家の再生にも役立ち、増え続ける空き家問題への一助ともなっています。このように、リノベーションは建物の種類や目的を問わず、幅広い分野で活用されているのが最大の特徴です。

リノベーションの効果的なポイントとしてあげられるのは、以下となります。

リノベーションの最大の魅力は、圧倒的な低コストで理想の住まいを手に入れられる点にあります。新築に比べて工事費を大幅に抑えられるのはもちろん、中古物件の購入価格自体が新築より安価なことが多いため、トータルコストでみれば格段にリーズナブルです。たとえば、人気エリアの中古マンションをリノベーションするケースでは、同じ条件の新築マンションの半額程度で、自分好みの住まいが実現可能です。

一方で、リノベーションの大きな利点は、自分の生活スタイルにぴったりと合わせた空間造りができる点です。新築ではなかなか反映しづらい細かな要望も、リノベーションなら可能になります。間取りのレイアウトや動線、個室の作り方、水まわりの造り付け家具やアクセサリーの細部にまでこだわれるのがリノベーションの強みと言えます。

さらに、リノベーションでは増改築による空間の有効活用も可能です。古くて狭い部屋を自在に区切ったり、逆に開放的なワンルームにしたりするなど、生活シーンに合わせた間取り変更ができます。さらに増築によって、収納や水まわり、ウォークインクロゼットなど、新たな空間を確保することもできるのです。既存の空間を無駄なく最大限に活用できる点が、リノベーションの大きな強みです。

リノベーションの醍醐味は、内装だけでなく外装に至るまで、インテリアデザインを一新できる点にもあります。リビングやキッチン、水まわり空間のデザインはもちろん、外壁の色や素材など、内外装をトータルでコーディネートできるのがリノベーションの魅力です。一つひとつのパーツをシームレスに調和させ、理想のこだわりの住空間が実現できるのです。

リノベーションの注意点ですが、主に以下の4つです。

リノベーションの大きな注意点は、対象となる物件の状態によって、リフォームの内容に制約が生じる点です。とくに老朽化が進行した中古物件の場合、構造面での手直しが難しく、リノベーションに限界があります。外観のデザインチェンジや内装の模様替えは可能でも、間取り変更などの大がかりな工事は物理的に無理な場合もあります。

物件の構造体に手を加える大規模リノベーションの場合は、さらに注意が必要です。壁や柱、梁などの構造体を変更すれば、建物全体の耐震性や強度に影響を及ぼす恐れがあります。とくに耐震基準が厳しくなった最近の建築基準法では、大がかりな構造体の変更には多くの制約があり、場合によっては法的に認められないケースもあるのです。

リノベーションを行う際の注意点として、近隣トラブルへの配慮も重要です。騒音や振動、粉塵などの工事による影響は避けられません。とくに集合住宅では、事前に近隣への説明と理解を得ておく必要があります。さらに行政への手続きなども増え、書類の準備や申請作業に手間がかかる点も覚悟しなければなりません。

一般に、リノベーションは新築よりもコストパフォーマンスが高いとされていますが、場合によってはリフォーム費用が新築を上回ってしまう恐れもあります。とくに水まわりのリノベーションは、想定外の追加工事が生じやすく、費用がつりあがるケースもあるのです。コストオーバーを避けるためにも、事前に専門家に相談して適切な見積りと工程管理を行いましょう。